新型コロナウイルス対策について

お昼休みの電話対応について(13:00~14:30は留守番電話対応になります)

乳幼児の歯科保健~おやつについて~『唾液の緩衝作用』と『唾液の再石灰化作用』

投稿日:2017年3月22日

カテゴリ:未分類

今回は、『唾液の緩衝作用』『唾液の再石灰化作用』についてです。私達の体にはお口の中を良好な状態に保つ為の機能が備わっており、唾液にはその為の様々な機能があるのをご存知でしょうか?

よく、むし歯の予防に『ダラダラと食べたらいけない』などと聞く事がありますが、それはなぜなのでしょう

通常、お口の中はpH6.87前後のほぼ中性を保っています。pHの値が小さいと酸性でpHの値が大きいとアルカリ性でpH7が中性です。私達が飲食をすると、食べ物や飲み物の酸やお口の中の細菌が出す酸によってお口の中が酸性に傾き、歯の表面からミネラル成分が溶け出す(脱灰)状態になります。酸性に傾いたお口の中を中性に戻そうとする唾液の働きの事を『唾液の緩衝作用』といい、飲食後30分程の間酸性に傾き、唾液の作用により元のpHまで回復するまで約1時間程要します。 

そして、さらに唾液にはすごい機能が備わっており、溶け出した歯の表面のエナメル質を元の状態に戻そうとする『唾液の再石灰化作用』があります。唾液には「カルシウムイオン」と「リン酸イオン」が含まれているので、歯の表面のエナメル質が脱灰すると、これらのイオンのおかげで歯の表面の溶け出した部分が修復されます。

常に歯の表面では脱灰と再石灰化が起きており、再石灰化がしっかりと行われていればむし歯にはなりにくいのです。 

しかし、不規則な食生活や間食が多くダラダラと食べる習慣はお口の中が酸性になっている時間が長くなり歯の脱灰が進み、脱灰と再石灰化のバランスが崩れむし歯になっていきます。 

この事から、食事や間食は時間と回数を決めてダラダラ食べをしない習慣を身につける事は唾液の作用効果を発揮させ、むし歯のリスクを減少させることが出来る効率的で実践しやすいむし歯の予防法なのです。

私たちの体は本当にすごい能力を持っていますよね!

歯科衛生士    池ノ上